馬毛島漂流

四六判上製 218頁
978-4-88344-257-7
税込価格1760円
2015/10/20発行
紹介

石油備蓄基地誘致、全島民の離島、企業による土地買収、大規模な「滑走路」工事……日米安保の渦の中で、〝漂流〟する島・馬毛島

種子島在住の元新聞記者が島に渡り、歩き、喰い、時には遭難して知った馬毛島の今を、短歌と写真を添えて伝えるルポルタージュ

第1章7堤の牡鹿

 わたしの馬毛島通いには、渡世の旅に出してもらった故郷への恩返しと、どこか、親不孝だった半生のつぐないの気持ちもちらついています。
 第一章「同胞の島」は素描。第二章「海峡」は新聞記者時代の仕事を清算する意味合いもあります。(中略)
 第三章「漂着」の体験は、遭難と紙一重の無謀な行動でした。短距離、短時間の航海だったことによる幸運であり、誇るべき事ではありません。漂流中に海水を飲むことも危険なことです。ただ、馬毛島になぜ渡ったのかを正直にふり返り、種子島に帰るまでをありのままに書くことは、馬毛島の今の姿を伝えるために必要でした。
(「あとがき」より)

目次

はじめに
第一章  同胞の島
第二章  海  峡
飢饉/オカヤドカリ/絶滅危惧種/FCLP/潮間帯/テンイヒョウメン/沖縄/胎児/校庭/スタンド・バイ・ミー/避難/入会権/水軍/津波石/椎ノ木遺跡/三郎/弾痕/小判/空港予想図/石門
第三章  漂  着
ザコ/アザミ/五月三日/五月四日/紛失/五月五日、六日/五月七日/13:42/巻き網船団/ミネラル水/モントリオール/ロボットの目/フェリー/10:37/大崎神社/ローアウト
 あとがき
 参考文献
 年表

著者

八板俊輔

やいたしゅんすけ

1953年、種子島西之表市生まれ。

早大卒。朝日新聞記者。熊本総局長などを経て2012年退職、帰郷。

写真展「マゲシマ」を種子島、沖縄で開催。共著に『ニッポン人脈記(沖縄)』『新聞と戦争』などがある。

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